母親の介護編㉑
僅か半年の在宅介護の記憶
母親は病名が判明するまでの病院巡り
に1年半という月日を要したので、
大学病院でパーキンソン病と診断され
要介護認定を受けて、公的介護施設の
空き待ちの間の半年間が在宅介護でし
た。
手足や噛む力が弱くなり、直ぐにでも
入所させたかったのですが、ケアマネ
ージャーがスピード感のまるでない人
で、こちらの希望に即動いてくれる人
ではなかったので、介護施設の入所が
遅れました。（母親の場合は難病で、
重度の要介護者でしたので入所が優先
されるはずでしたが。）
妹が実家に一時帰宅してくれたので、
私は（母親も）大変助かりましたが、
妹のご主人は、せっかく勤続表彰で
長期休暇が貰えたのに、妹が実家で
母親の介護という事態となり、妹家
の事全般をご主人がやる事になり、
大変申し訳ない気持ちです。
母親は妹が一時帰宅し、ずっと傍に
いる事で安心して体を休めることが
できたと思います。
もし妹が一時同居介護が出来なけれ
ば、私や妹が通いの介護となり、
一日の大半を何もしない、やらない
父親と過ごす事となり、母親にとっ
ては、ストレス、苦痛以外の何物
でもないですから。
母親も妹に『あなたがいてくれて
助かるわ』と感謝していたそう
です。私も含めてですが、大概の
場合、介護に男が携わる場合、家
の事は気遣いが出来ないというか
てきぱきとあれこれやりながら
動けないですし、女性に比べると
役に立たない人が多いようです。
ある日妹が、母親の食事を用意
していると、珍しく父親が、
『母さんの食事、俺が食べさせ
る』と言い出したそうです。
妹は洗濯物を畳むことにして、
『じゃあ お願いね』と母親に
食事を食べさせるのを父親に
任せました。
けれど少し心配だったので食事の
様子が見えるところで洗濯物を、
畳んでいたそうです。
母親の食事はお粥です。妹は父親
に『母さんは、噛む力も弱いし、
よく喉を詰まらせるから、
お粥をゆっくりと口元に運んで、
噛み終わるまで待っていてあげ
てね』と念を押したそうですが
父親は自分のペースで母親の
口元に次々とお粥を持っていき
未だ母親の口の中にお粥が残っ
ていても無理に口の中に押し込
むので、母親が吐き出して
しまいました。吐き出した物が
父親の顔にかかりかんしゃくを
起こす父親を見て妹は、改めて
父親に母親の介護は出来ないと
実感したそうです。
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