両親の介護 私の独り言
亡き母親の介護を振り返って
生前の母親の患っていた病気は
パーキンソン病で、それはとても
進行が早く、私達家族の付き添い
で、母親は杖をつきながら通院
していたのが、あっという間に
歩けなくなり寝たきり状態に
なってしまいました。
好きな油絵や裁縫も出来なくなり
手先の器用だった母親が何一つ
出来ずにベッドで天井を見ている
だけの生活は、さぞかし辛かった
と思います。
私が亡くなった母親を思い出すのは
母親の形見分けで貰った私の家の
玄関に飾ってある母親の旅先で
描いた風景画の油絵の手入れを
する時です。
母親がまだ元気で仲間と旅行に
言った時に描いた油絵です。
母親はとにかくアクティブで旅行に
行っては油絵を描き、自宅では
デッサンと裁縫を楽しむ日々でした
。私が独立して家庭を持ち長男が
生まれると、趣味をこなしながら
初孫の面倒もよく見てくれました。
そしてペットの柴ちゃんの事も
荒天でも朝晩欠かさず散歩へ行き
自分の子供の様に可愛がって
いました。
こんな楽しい生活が母親が60歳を
過ぎるまで続きましたが、
60歳も半ばを過ぎた頃に外出先や
家の中で転倒するようになり、
怪我が絶えなくなり、私や妹が
付き添い病院通いとなりました。
病名が判らず病院を転々とする中
母親は前向きに病院から言われた
通りのリハビリをこなし頑張り
続けました。
今思えば病名が判らないままの
過度なリハビリが母親の病状悪化
の原因ではないかと後悔して
います。
とにかく進行が早く大学病院にて
パーキンソン病と診断された頃
には既に全身の筋力が弱り、
あっという間に寝たきりになって
しまいました。
それでも母親は弱音を吐く事なく
元気になりたいという気持ちを
持ち続けました。
こんな母親の元気な時から要介護
で寝たきりの闘病生活迄を油絵を
見るたびに思い出します。
そして医療付介護施設での末期に
母親が唯一発した『寂しい、帰り
たい。』という弱音も忘れられ
ません。
私や妹の子育てを終えた母親は
その後、私達が家を出て新しい
家庭を作った事で、『これからは
自分の為に時間を使って残りの
人生を楽しみたい。』と、日々
楽しく生活をし、健康にも人一番
気を付けていたのに体調を崩して
からは、要介護になり、命尽きる
まではあっという間でした。
こんな母親の人生を、私自身に
置き換えて、日々悔いなく生きて
そして将来のもしもに備えて、
健康管理、家族の為の蓄えを
怠りなく過ごしていきたいと
思います。
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