私が母親の命日を思い出す合図は、
暑い夏から秋への季節の変わり目に
寂し気に聞こえる蜩が泣き始める頃
母親は最期に医療付介護施設で息を
ひきとりましたが、亡くなった日も
介護施設の屋上や葬儀会場で蜩が
鳴いていたのを今でも鮮明に覚えて
います。
暑い夏がもうすぐ終わりますよ、
そろそろ秋の訪れですよと私に周知
してくれているような鳴き声にも
聞こえますし、母親が介護施設の
病床で『早く家に帰りたい。』
『寂しい』と言っているようにも
聞こえます。
元気で活発だった母親が病気を
発症してからの日々の衰えや
みるみるやつれていく表情が
思い出されます。
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母親はどんなに衰弱してきても
私達家族の事を逆に心配して
くれました。
『あんた、体は大丈夫？家族を支え
る立場なんだから、健康でね。』と
どっちが病人で、どっちが健常者か
判りませんね。
私自身も自分が体調不良になった時
周りを気遣うことが出来るのか？
多分出来そうにありません。
弱音を吐いて 何時までもくよくよ
しているかもしれません。
母親は最期の最後まで強い人でした。
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