母親に先に逝かれ独り暮らしとなり
認知症の進行が顕著になった父親
粗相が悪くなり大便の流し忘れも
流そうとはしない父親ですが、
過去の記憶に関しては鮮明に覚えて
いました。
父親の趣味である登山の事、父親の
実家での親戚たちとの思い出などは
認知症が酷くなっても鮮明に覚えて
いました。
それは父親との最後の家族旅行で
実家に帰った時に実証済です。
生まれ育った環境や景色、そして
気心の知れた親戚たちの前での
父親の表情は在宅介護での表情
とは明らかに違うものでした。
現在進行形の認知症でも健常の頃
の楽しい過去は正気の父親が目の
前にいた という信じられない
光景でした。
私と妹は父親の好きな山々の景色
が眺望出来て生まれ故郷の親戚と
いつでも会える環境が父親の認知
症の良い薬になると思い一時期、
そんな環境の介護施設を探していた
ものです。
その願いは叶いませんでしたが、
認知症の最大の良薬は生まれ育った
環境とそこでの思い出だと知りまし
た。
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