父親の介護編⑬認知症の父親の奇行
②味噌汁の蕎麦の匂い？
母親が闘病の末介護施設で亡くなり
父親の一人暮らしが始まり、家内で
会話がない事、人と接する機会も、
ない事から徐々に認知症が進行し、
在宅介護の中で今は亡き父親が
起こした奇行を振り返ります。
②味噌汁が、蕎麦の匂い？
母親が亡くなり一人暮らしになった
父親はこの時点ではまだ要介護でも
認知症でもありませんでした。
母親がいないので、炊飯や、麺茹で
味噌汁は自分で作りだしました。
おかずは私や妹が交代でタッパー
に入れて届けていました。
まだこの頃はガスコンロの火の管理
は、出来ていました。
父親はご飯よりも麺類が好きだった
ので、沸騰した湯に麵を入れて、
茹でるだけなので好んで作って
いました。
中でも蕎麦が大好きで、麺類は
8割方、蕎麦を作っていました。
包丁は使えないので、みそ汁の具や
麺類の薬味は、私達が刻んでタッパ
ーにいれて、おかずと一緒に届けて
いました。
ある時から父親が、私達が父親の
家に行くと『味噌汁が蕎麦臭いんだ
よね。』と言うようになりました。
ある日、その日当番の妹が父親に
おかずを届けに行くと、いつもより
早く父親の家に行き、麺作りの様子
を見ることにしたそうです。
妹が父親の家に着くと、父親が、今
まさに蕎麦を茹でるところで、『
蕎麦茹でるから一緒に食おう。』
と言われ、妹は父親が作る蕎麦
作りを見ていたそうです。
茹で上がって水に浸したざる蕎麦を
二人で食べ、（うまく茹でられた
麺だった。）妹は、『ご馳走様、
お父さんついでに夕飯のお味噌汁も
作っちゃえば。』と言い、様子を
見ることにしたそうです。
すると、先程蕎麦茹でに使った鍋の
蕎麦の茹で汁が入ったまま、味噌や
ほんだしを入れ、水を足して
いたそうです。妹はなるほどと、
『お父さん、蕎麦を茹でたら、
流しに大きな竹製のざるを置いて、
お鍋の蕎麦と茹で汁をざるに全て
開けてから、水道で麺を冷やすよう
に言ったでしょ。茹で汁が入った
ままのお鍋に味噌入れたら、蕎麦臭
いに決まってるじゃない。』と。
注意したそうです。
父親は『あ、そうだった。』と、
今迄気付いていなかった様子だった
そうです。この件以来、麺茹でと
味噌汁は違う鍋で作らせるように
させました。
後日、私と妹で『認知症の始まり
かもね。そろそろコンロの火の
扱いも危なくなるかもね。』と
話をしました。
その後、コンロでの味噌汁の
温めなおしで、父親が度々火の
点け放しでガスが自動遮断される
事が何度もあり、そのたびに火が
使えないと電話してくる父親に、
ガスを解約し、風呂とコンロは
使えなくしました。
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